ソーシャル・マーケティング

ソーシャル・マーケティング(social marketing)とは、マーケティングの一つの考え方である。1971年にフィリップ・コトラーによって提唱された。

ソーシャルマーケティングとは、営利事業組織である企業の利益追求中心のマーケティング(マネジリアル・マーケティング)に対して、社会との関わりを重視するマーケティングの考え方である。
1960年代後半から70年代前半にアメリカで生まれた。当時は買わせるための強引な販売やプロモーションが行われていた。また、企業目標達成のために、消費者ニーズやウォンツを明らかにし、いかに効率的にそれらを喚起したり、応えたりするか、ということのみに腐心する企業がほとんどだった。ところが、製品やサービスそのものが消費者や社会に対する配慮が欠けていたりしたこともあり、「消費者主義」「消費者保護運動」と訳される「コンシューマリズム」が台頭した。
1962年に出版されたレイチェル・カーソンによる『沈黙の春』、また同年にジョン・F・ケネディアメリカ大統領によって提唱された「4つの消費者の権利」、そして1965年にラルフ・ネーダーが出版した『どんなスピードでも自動車は危険だ:アメリカの自動車に仕組まれた危険』Unsafe at Any Speed:The Designed-In Dangers of the American Automobileというゼネラルモーターズ製の乗用車「シボレー・コルヴェア」の欠陥を指摘する本を出版したことなどが、動機となって誕生した。
こうした反省を踏まえ、それまでの企業経営の視点のみからマーケティング活動を行う「マネジリアル・マーケティング」に対して、新たにソーシャル・マーケティングの考え方が登場した。
ソーシャル・マーケティングの視点から見て、マネジリアル・マーケティングは「商的マーケティング」(commercial marketing)と言われることもある。
1971年にフィリップ・コトラーにより提唱された。
近年では、非営利組織のマーケティング(NPOマーケティング)にも応用されている。

ソーシャル・マーケティングの定義

フィリップ・コトラー・G. ザルトマン(1971年)
「ソーシャル・マーケティングとは、社会的なアイディアの受容性(需要)に影響を及ぼすと意図され、そして製品計画、価格決定、コミュニケーション、流通、およびマーケティング・リサーチの考察に関するプログラムの設計、実行、そして統制である。
P. コトラー(2009年)
「ソーシャル・マーケティングは、ターゲットと同様に社会(公衆衛生、安全、環境、そしてコミュニティ)に便益をもたらすターゲットの行動に対して影響を与えるために、価値を創造し、伝達し、提供させるというマーケティングの原理および手法を適用するプロセスである。」

コトラー以外のソーシャル・マーケティング

P.コトラーのソーシャル・マーケティングが従来のマネジリアル・マーケティングの技法を企業だけでなく、政府、博物館といった一般の非営利組織にも応用、拡張していこうとするものであるのに対し、W.レイザーが提唱したソーシャル・マーケティングは、これまでのマーケティング行動に社会対応が欠如していたという反省のもとに、評価判定基準に社会的利益や価値をおこうとする考え方である。
4Pを中核とする伝統的なマーケティング(マネジリアル・マーケティング)に欠けていた社会的責任や社会倫理といった社会的視点を導入したものである。その背景には、当時のアメリカにおける公民権運動や、コンシューマーリズムなどによる、既存体制への不満や大企業への批判が展開されていたのである。
P.コトラーが提唱するソーシャル・マーケティングが「非営利組織のマーケティング」と呼ばれるのに対し、W.レイザーが提唱するソーシャル・マーケティングは「社会志向のマーケティング」と呼ばれる。

ソサイエタル・マーケティング

ソサイエタル・マーケティング(societal marketing)は、企業の社会的影響力を考慮しつつ行う具体的マーケティング活動をいい、広い意味でソーシャル・マーケティングに含まれることが多い。社会的利益を考慮したマーケティングであり、グリーン・マーケティングやエコロジカル・マーケティングはソサイエタル・マーケティングの代表例である。
社会志向的マーケティングと訳されるソサイエタル・マーケティングは、伝統的なマネジリアル・マーケティングを社会的価値や社会的役割という新しい視座から捉えなおしたもので、適正利潤の確保という組織の目標の枠内において、自然的・生態的・社会的影響を考慮しながら、顧客ニーズに基づいたマーケティング諸手段を有機的に遂行する活動である。

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マーケティングミックス: 4P, 4C

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、ツールを組み合わせることである。これには今日、4P理論と4C理論がある。

4P: 売り手側の視点

エドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱した有名な分類「4P」を用いてマーケティングミックスが語られることが多い。これ自体は顧客志向のマーケティングであり、その教育的効果が高く評価されている。4Pが売り手側の視点に基づいたツールであると言われるようになったのは、1970年代の終りにコンシューマリズムが台頭し、その視点から見られたためである。 4つのPとは
Product(製品)
製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
Price(価格)
価格、割引、支払条件、信用取引 等
Place(流通)
チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等
Promotion(プロモーション)
広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
である。これら4つに分類されるツールを組み合わせていく。

4C:顧客側の視点

ロバート・ローターボ-ン(Robert F.Lauterborn)によって、1993年、顧客の視点による「4C」という分類がなされた。 これは、4Pが売り手側の視点で捉えられているのに対し、買い手側(顧客)の視点で捉え直そうというものである。 4つのCとは、Consumer(消費者のニーズやウォンツ)、もしくはCustomer solutionまたはCustomer Value(顧客ソリューションまたは顧客価値)、Customer cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)である。4Pと4Cはそれぞれ以下のように対応している。
Product(製品)⇔Consumer(消費者のニーズやウォンツ)あるいはCustomer solution(顧客ソリューション)
Price(価格)⇔ Customer cost(顧客コスト)
Place (流通)⇔ Convenience(利便性)
Promotion(プロモーション) ⇔ Communication(コミュニケーション)

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マーケティングリサーチとセールス

マーケティングリサーチとは、顧客が真に求めている商品・サービスを開発するために、顧客のニーズ・ウォンツを探るための活動である。

「商品・サービスの売り上げから利潤をあげるために、消費者の動向・嗜好を調査・分析をすること」が、「(それらの)調査・分析の結果に基づいて商品・サービス販売を行う行為」の意味で使われることもあるが、前者はマーケティングリサーチと呼ばれるマーケティング活動の作業プロセスの一部であるが、必ずしも必要不可欠のものではない。
しかし、「マーケティングリサーチ」をもって「マーケティングそのもの」であるとイメージしてしまう向きはビジネス社会においても少なくない。

例えば、販売ルート等を理論的に最適化して収益構造を改善するという行為が、マーケティング全般ではリサーチに比して重要であるケースが考えられる。

マーケティングとセールスとについて混同している人間が多い(特に日本では)傾向があるが、マーケティングとは冒頭記述のように経営戦略とならぶ企業活動の中核にあたる一連の行為であり、セールスとはコミュニケーションの結果で購入を検討している顧客候補に対してクロージング(買う決断を手助けする・・つまり売る)をするという「マーケティングのほんの一部にあたる行為」である。

マーケティング・コミュニケーションの手法として、広告やダイレクトメール、セールスレターなどをコピーライターの優れたコピーによって制作し、商品を買うことに興味のある顧客を会社に呼び込む手段が存在する。ブランディングの手法はブランド・ネームの認知度を高め、ブランドを想起させ、トップ・オブ・マインドを高めることである。

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第1部 1.マーケティングの全体像

横山さんと野山さんが一緒に現れ、挨拶します。

野山さんは、関西弁の、とばした感じの楽しいかたですね(笑)。

横山さんが、まず、マーケティングの歴史や定義を話します。ビデオの中心には、スライドが示され、横山さんの動画は左下に位置します。

「マーケッティング」の勉強なのですが、なかなか聞かせます。野山さんの合いの手も、上手に入っています。

「いろいろな人が絡むのがマーケティング」で、日本にアメリカからマーケティングが輸入されたのは1955年。アメリカから50年遅れているとのことです。それから、日本はマーケティングに関して、ずっとアメリカの後追いをしているそうです。

マーケティングはセールスではなく、顧客との相互理解が必要と話されていました。SellingとMarketingは違うものなのです。マーケティングは、売れる仕組みの全体です。マーケッターは、顧客との関係性を作り、商品を理解させ、そして商品を適正な価格で提供するのです。

ドラッカー 「マーケティングの究極の目標は、セリングを不要にすることである」

野山さん 「お客さんが目の前に並び続けることが可能」

横山さん 「セールスマンではなくマーケッターになろう。優秀なマーケッターなら年商5億円はいけます」

野山さん 「マーケティングの知識がないと収入は伸びない」

横山さんは、マーケティング活動について述べます。

マーケティングの全体の理解とは、

  • リサーチ
  • プロダクトマネージメント
  • プロモーション
  • コミュニケーション
  • 価格戦略
  • セールス、クロージング
  • 流通、ロジスティック
  • サポート

この流れが理解できて応用できれば良い。丁寧に説明しました。

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すためにツールを組み合わせること」→これが、これから重要になりそうですね。

ロバート・ローターボーンの4C(消費者から始まるアウトサイドイン)とは、

  • Consumer(消費者のニーズやウォンツ)
  • Consumer cost(顧客コスト)
  • Convenience(利便性)
  • Communication(コミュニケーション)

顧客の立場に立ったマーケティングの要素4Cは、1993年に発表されました。

ツイッター、フェイスブック、バンダイ、エースコック、ミクシー、AKB48、オンラインセミナーなどの例を挙げて、Communicationを説明しました。

横山さん 「天才ですからね、秋元さん」

インターネットの時代は4Cから考えたほうが成功しやすいことを説明しました。4Cの考え方をマーケッティングに組み入れるといいだろう。

という話で、終了しました。

海外マーケティング革命  2012年1月31日発売終了決定

以下の動画は、「海外マーケティング革命」とは無関係です。